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ヤマシタクリーニング 統合事業ポートフォリオ

今後の事業展開の4つの象限

今後の事業展開を、以下の4つの象限にグルーピングし、それぞれの事業がどのように連動し、どのような価値を生み出すのかを簡潔にまとめています。
カテゴリー①

既存事業基盤 (キャッシュカウ)

医療機関向けの下請け業務、一般消費者向けのクリーニングおよびコインランドリー事業。現在の収益の柱。また、桝形店内にコインランドリーを導入し、従業員がクリーニング士監修のもと洗濯代行を行うサービスを提供。

ターゲット: 医療機関、宇和島市の一般生活者
カテゴリー②

レジリエンス (防災・インフラ)

コインランドリー事業の防災化。北フジ店のオフグリッド化、および移動式トレーラーによる「止まらないインフラ」の構築。有事の際の衛生環境確保に貢献。

ターゲット: 地域住民、行政(宇和島市)、協業先(フジ様)
カテゴリー③

新市場創出 (価値の再定義)

古着リフォーム・転売によるサーキュラーエコノミーの実現。布団丸洗い&月ぎめ預かり(スリープケア)によるアレルギー予防と睡眠改善。学生の自習スペースやカフェを併設したコミュニティ・スペース型ランドリーの展開。

ターゲット: 若年層、健康意識の高いシニア、子育て世帯
カテゴリー④

次世代DX (業務改善)

「匠の技」のAI化、AI自動選別装置、RFID個品管理による生産性の劇的な向上(省力化)と技術継承。深刻な人手不足(2026年問題)を克服するためのデジタル投資。

ターゲット: 現場スタッフ、次世代の従業員

各カテゴリーの具体的内容とポイント

1. 既存事業基盤(キャッシュカウ)

すべての挑戦の土台となる、現在ヤマシタクリーニングを支えている中核事業です。

  • BtoB(医療機関向け): 厳格な衛生基準が求められる医療機関向けのリネンサプライ・下請け業務。高い洗浄技術の証明でもあります。
  • BtoC(一般消費者向け): 店舗やコインランドリーでの日常的な衣類ケア。地域住民との重要な接点です。
  • 新規業務(簡易ランドリー): 桝形店内にコインランドリー機械を導入し、従業員がクリーニング士の監修のもと、簡単な洗濯・乾燥・仕上を行う代行サービス。NEW

2. レジリエンス強化(防災・インフラ化)

既存のコインランドリー事業や工場設備を、有事の際に「地域の命綱」となる防災インフラへ進化(フェーズフリー化)させます。

  • 北フジ店のオフグリッド化: スーパーの敷地内店舗に太陽光パネルや蓄電池を導入し、停電時でも稼働する「災害対応型店舗」へ改装。(現在難航中、突破口を模索)
  • 中沢工場(拠点)の防災トレーラー: 太陽光やLPガスを搭載し、外部電源なしで稼働する移動式のコインランドリー・トレーラーを構築。被災地へ直接衛生を届ける取り組み。(ローカル10,000プロジェクト 宇和島市企画課)

3. 新市場創出(価値の再定義)

ただ「洗う」だけでなく、「健康」や「衣類の寿命延長」という新たな付加価値を提供し、さらに地域住民の交流や学びの場となるコミュニティスペースを併設することで、高単価なブルーオーシャン市場を開拓します。

  • スリープケア(布団丸洗い・月ぎめ預かり): 最新設備を用いた高温スチーム等によりダニを100%退治し、宇和島市民のアレルギーを予防。オフシーズン(夏場など)に使用しない布団を衛生的に保管するサービスを提供し、自宅の収納を確保しつつ翌シーズンも清潔に。
  • 衣類循環(古着リフォーム・転売): 店頭で不要な服を回収し、プロの技術で衛生的にリセットして古着として転売。またはリフォームして長く着られるようにするエコシステム。
  • コミュニティ・スペース併設型ランドリー: 待ち時間を活用した多機能複合型店舗。自習スペースやカフェを併設することで、利用者に利便性を提供するとともに地域コミュニティの交流拠点へ。

4. 次世代DX(オペレーション・業務改善)

深刻な人手不足(2026年問題)を克服し、ベテランの技術を未来へ残すためのデジタル投資です。

  • 匠の技のAI化 & 自動選別装置: 社長の頭の中にある「素材やシミの判断基準(暗黙知)」をAIエンジンに学習させ、カメラやセンサーで衣類を瞬時に自動選別する装置を導入。
  • RFIDによる個品管理: 洗濯物1点1点にICタグ(RFID)を付け、工場内のどこにあるかをデータで正確に追跡・管理。紛失防止と業務効率化を徹底。

政策の方向性(次期事業計画の柱)

次期事業計画における最重要課題として、「売上高の8%増加による収益性の向上」「製造原価の7%削減による体質強化」の二点を掲げ、具体的な政策を実行します。

I. 売上高の8%増加を目指す政策:客単価の向上

既存顧客の客単価向上と、新規の高付加価値市場への参入により、売上高全体の底上げを図ります。

① 新市場創出事業(カテゴリー③)の収益最大化

政策 具体的な施策 期待される効果
スリープケアの高付加価値化 布団丸洗いサービスに「月ぎめ保管」オプションを標準提案し、LTV(顧客生涯価値)を最大化する。 宇和島市民のヘルスケアニーズの取り込み、高単価サービスの定着。オフシーズンの安定収益源の確保。
衣類循環サービスの本格展開 古着リフォーム・転売の仕組みを確立し、単なる「クリーニング」ではない「ライフサイクルサポート」サービスとして訴求する。 若年層・環境意識の高い層の新規開拓、既存サービスの差別化。
コミュニティ・スペースの利用促進 併設カフェや自習スペースの利用者限定で、コインランドリー割引や特定クリーニングサービス優待を実施し、複合利用を促す。 待ち時間の有効活用による顧客満足度向上と、コインランドリー部門の売上増。

② 既存事業(カテゴリー①)へのオプション導入による客単価向上

政策 具体的な施策 期待される効果
BtoC向け「ハイグレード仕上げ」の標準提案 シミ抜き保証、抗菌・防臭加工、撥水加工など、オプションをセットにした高単価コースを複数設定し、店頭で積極提案する。 一般クリーニング利用時の客単価向上。顧客満足度とリピート率の向上。
BtoB(医療機関)向け高衛生付加価値提案 厳格な衛生基準に加え、特定感染症対策としての超高温殺菌・オゾン洗浄などの付加価値サービスを提案し、単価交渉の材料とする。 競争力の強化と、安定的なBtoB収益の単価向上。
店舗内での簡易ランドリーサービス
(桝形店先行導入)
桝形店内にコインランドリー機器を導入し、従業員がクリーニング師の監修のもと、簡単な洗濯・乾燥・仕上を行う代行サービスを提供する。 新しい客層(単身者、共働き世帯など)の取り込み。アイドルタイムの有効活用による収益機会の増加。

図:売上高5原則の体系

売上高アップ
↓ (要素分解)
客数 × 客単価
利用客数増
① 新規顧客獲得
② 既存顧客維持
客単価アップ
③ 利用頻度増
④ 買上点数増
⑤ 一品単価増

II. 製造原価の7%削減を目指す政策:次世代DXと原価見直し

DX(デジタルトランスフォーメーション)投資を加速させ、特に人手不足が深刻な労務費の抜本的な効率化と直接原価の圧縮を図ります。

① 労務費(人件費)の抜本的効率化(カテゴリー④ DX投資連動)

政策 具体的な施策 期待される効果
AI×IoTによる選別・仕分けプロセスの省力化 「匠の技のAI化 & 自動選別装置」を最優先で導入し、経験値に依存していた選別・仕分け工程 of 作業時間を大幅に削減する。 熟練工の配置転換と、未経験者・パートの早期戦力化。生産性の劇的な向上。
RFID個品管理による非効率作業の削減 RFID導入により、検品、紛失対応、仕分け直しに費やされていた間接労務費をゼロに近づける。 追跡コスト・紛失コストの削減、従業員のストレス軽減。労務費削減と新規事業(保管やコミュニティ等)への人的リソースの再配分。
多能工化の推進と人員配置の適正化 DXにより削減されたマンパワーを、新市場創出事業(コミュニティスペースの運営、布団保管サービス等)へ再配置する。 総人件費を抑制しつつ、既存および新事業の生産性を最大化する。

② 直接原価(材料費・光熱費)のブラッシュアップ

政策 具体的な施策 期待される効果
レジリエンス設備導入による光熱費削減 北フジ店のオフグリッド化(太陽光・蓄電池)や、工場設備への高効率ボイラー導入により、平常時の電力・燃料コストを削減する。 環境負荷の低減と、変動費(光熱費・燃料費)の安定化。
資材調達の見直し 洗剤、溶剤、リネン資材の仕入れ先を複数比較検討し、価格交渉を実施。また、使用量の適正化(AIによる洗剤投入量制御など)を図る。 製造原価(直接材料費)の直接的な低減。

参考:製造原価の構造

売価は「製造原価(材料費+労務費+経費)」「一般管理費・直接販売費」「利益」から構成されます。

直接販売費・管理費
製造原価 (削減ターゲット 7%)
営業利益
① 材料費 (変動費)
・原材料・仕入部品費
・燃料費(ガス、灯油等)
・工場消耗品費、器具備品等
② 労務費 (固定費/人件費)
・従業員給与、手当、賞与
・パート・アルバイト雑給
・法定福利費、退職給付費用等
③ 経費
・測定経費(月々の変動費)
・減価償却費、特許使用料
・外注加工費、支払リース料等